スパ爆発事故で設計者が有罪
東京渋谷の温浴施設「シエスパ」が2007年に爆発し、死傷者が出た事故で
某大手ゼネコンの設備設計担当者に、東京地裁は執行猶予付の有罪判決を
言い渡しました。
被告の設計担当者側は、判決を不服として東京高裁に控訴しました。
情報元:日経BPケンプラッツ建築2013.5.13
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20130516/615709/
上記HPによれば、次のようないきさつがあったようです。
- 当初は別の手法で設計されていた
- メタンガスの対策について近隣住民からの反対があり、設計変更をした
- 設計変更により、配管設備内に、結露を防ぐための水抜きバルブが必要になった
- 水抜きの機能を果たすため、設計者はバルブを常に「開いておく」よう、現場の施工担当者に指示した
- 現場の下請け施工会社から、硫化水素の対策でバルブは「閉じておく」べきという指摘を受け、これを受け入れた
- 設計担当者から施工担当者に対して、バルブを閉じておくことによって生じる「手作業での水抜き」の必要性、を伝えなかった
- 施工担当者が異動になったが、後任者には変更のいきさつが伝達されなかった
- 運営会社にも変更のいきさつが伝達されなかった
施設の運営側は、配管内の結露を防ぐために手作業でバルブを開き、水抜きを
しなければならなかったのですが、知るすべもなく、やがて配管が閉塞し、メタンガスが
機械室に滞留して、火花が引火して爆発がおきたようです。
建物が密集した市街地での惨劇。
ニュース映像など、覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
この設備のもつ危険性を予見できたのは、設計担当者であり、関係各所に対して
適切な説明をしておくべきところ、これを怠ってしまったという理由で、業務上の
過失責任を問われています。
本ブログではこの争点については言及しませんが、仕事をしていくうえでの教訓と
したいと思い、この事件を取り上げました。
「関係者に適切な説明をしなかった」
「記録に残さなかった」
「後任者に伝えなかった」
弊所も含め、このようなミスは日常茶飯事です。
おおきな問題になる前に、いまいちど所内のチェック体制を確認したいものです。
まずは顔を合わせてのコミュニケーションからですね。
弊所ではほぼ毎朝のミーティングに一時間弱をかけています。
時間がもったいないな、と思う反面、この原始的なやりかたが功を奏していると
思える時もあります。
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☆街のお助けマン☆行政書士塩崎宏晃☆
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